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I Will Get Them

Researching and Sharing Chinese Motor Three-Wheeler

DAIHATSU Bee

いくらコンパクト三輪自動車の傑作だからといって、いつまでも貨物車のミゼットで誤魔化しているわけにはいかない。唯一の本格的国産三輪乗用車ダイハツ・Beeを書いておかねばならない。

エンジン始動

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Beeってリアエンジンなんだね。たった一つのタイヤを収めるだけに前部がずっと飛び出しているから、てっきりエンジンも含まれているのかと思っていた。そして、思いのほか重厚な音だ。

走行映像

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ここで収集している多くの小型三輪乗用車と違って、安定感と高級感が漂う。しかし、短期間とはいえタクシーに活用されていた事実は日中間の文化共有のカギとなる。
とくにリアだけみると、戦前から続く流線型の高級乗用車の風格を十分に感じさせる。現在のように誰もがマイカーを買え足代わりに乗り回す時代でなく、自動車を持つことがステータスだった当時に合ったデザインだといえる。その意味では、現在の中国で発展し続ける三輪乗用車がコンパクトで使いやすい性能を追求するのも時代に適した流れであり、やはり日中相互に通じるものがある。それこそステータス的役割は四輪車に任せておけばいいのである。三輪には三輪の果たすべき使命と勝ち残る道が存在するのだ。

全体像

自動車の所有そのものがステータスであるとしても、当時の観念的に車輪が4つに満たないものが果たして自動車として認識されたかどうか、が些か疑わしい。これだけ立派なエンジン音や風格を持ちながらも、正面やサイドから見れば前輪の異形に誰もが気づき、少なからず軽蔑の眼差しを向けるはずだ。中国でも、排気量に差があるとはいえ多くの三輪乗用車は汽车とは呼ばれず、オートバイ等と同じ摩托车と称される。ましてや現在よりもずっと性能より視覚がものをいう時代だけに、優劣を判定された可能性はある。そうした疑念をある程度払拭させてくれるのがフロントデザインのインパクトだ。前方にぐっと張り出したボンネットは威風堂々を鉄板で表現し、キンメダイのような大きな丸ライトは足元で見下そうとする者を真っ向から見透かす。もしBeeが今の中国式三輪乗用車のように短いボンネットをしていたら、個人所有者獲得はおろかタクシー会社ですら活用してくれなかったのではないだろうか。当時は三輪であってなお四輪に劣らぬ風格を醸すことが重要課題であったのだ。長い鼻は決して無駄ではない。
にしても、内装は随分と簡素だねぇ。それだけによけい空間の広さを感じる。基調が白ってのも助長するのかな。

スペック

今後中国車との比較で役に立つかどうかわからないが、一応この機会に数値を載せておく。

全長,全幅,全高(mm) 4080,1480,1440
ホイールベース(mm) 2400
車両重量(㎏) 960
排気量(㏄) 804
最高時速(㎞/h) 78
乗車定員(人) 4