フィリピンにおける三輪車調査報告
まず、結果から申し上げますと、理想的な三輪乗用車は1台も見かけませんでした。同国の最もメジャーなTricycleの形は、いわゆるサイドカー型で、前輪を中心軸に置いたスタイルは存在しない。一台だけ貨物用の電動三輪車と思しきものをチラリと見かけたきりだ。みごとに期待を外してくれた。
パンパンガ州アンへレスの市街を行き交うTricycle。*1
タクシー用と自家用の2種類あり、運転者のほかにサイドカーに2名、バイクの後部席に1名乗車できる。いずれも試乗し、多少狭いけれども乗り心地は決して悪くなかった。
そもそも同国を走行する自動車は日本車が大半を占めており、中国車の付け入るスキは少ない模様。主観として大勢順にトヨタ・三菱・日産・ホンダとつづき、欧米系は目立たない。三菱の割合が比較的高いのは意外だった。度重なる不祥事で三菱への信頼が薄れつつある我が国との違いでもある。新旧は日本より幅広く、こちらではもう中古でも入手が難しいような年式のものまで往来している。わりと旧車好みの筆者には涎が出そうなモデルがわんさか活躍していて羨ましい。それでも一台だけ、明らかな中国車を目ざとく発見した。帰国して記憶のエンブレムを検索した結果、それは海马郑州汽车(Haima Zhengzhou,海馬鄭州汽車)のミニバンであることを突き止めた。どこへ行っても、河南との御縁は途切れないものだね。
(カタチを検索するのは難しい。比較的大手メーカーで良かったわ)
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